2025.04.18
ウエスを使って整備中の車両
県警によると、今年1~3月までの3カ月間で発生した車両火災が6件と相次いでいる。いずれも運転中に異変に気づき、出火により1人が軽傷を負った。このうち4件は普通乗用車や軽自動車だが、残る2件はごみ収集車と、乗客27人が乗る大型観光バスだった。6件とも原因は調査中で、特定には至っていない。走行中の車両でなぜ火災が起きるのか。日本自動車連盟(JAF)山梨支部に聞いた。
同支部によると、最も考えられる原因の一つは、エンジンルーム内に置き忘れられた掃除用品のウエス(雑巾)だ。特に、車周りで使用されるウエスはエンジンオイルを含んでいることが多く、布は可燃性が高いため、火種になりやすい。
また、エンジンオイルの交換を怠ると、不純物がタンク内に付着し、それが火種になることもあるという。さらにエンジン周辺では、古い部品を使用し続けることでオイル漏れの危険が高まり、発火する可能性も指摘する。
一方で、近年の特徴として、ユーチューブなどを参考に、自身でカーナビなど電気機器の配線をした結果、うまくいかず、ショートを起こすケースもあるという。
まれな例では、車の保管状況によって、エンジンルームに動物や枯れ葉などの異物が入り込み、火災につながる可能性もあるほか、ガスや制汗剤などのスプレー缶、ライターが車内の高温で破裂し、火元になることもある。車内に放置したペットボトルに太陽光が当たり、シートの一部が焦げ付くこともあったという。
同支部では「日頃からエンジンルーム内を点検してウエスやごみなどがないか確認してほしい。部品の経年劣化も見落とさず、必要に応じて交換すべき」としている。
同支部によると、仮に運転中、煙が出てきた場合は早急に停車し、車両から離れることが重要といい、「煙が出ているということは、すでにエンジンが焦げ付いている証拠。燃え広がる前に避難し、通報することが大事」と呼び掛けている。
車社会の本県。自身の足として欠かせない存在だからこそ、メンテナンスを習慣づけ、異変を見逃さないようにしたい。