2025.04.18
1875(明治8)年6月1日に気象庁の前身である東京気象台で気象業務(気象観測、地震観測)が始まりました。今年で150周年を迎えます。
東京の上野にある国立科学博物館では現在、気象業務150周年企画展「地球を測る」が開催されています(6月15日まで、図1)。先日、行ってみました。五つのテーマを設けてさまざまな展示がありました。
【図1】
第1章の「自然現象を測る」では、地球で起こる目に見えない自然現象を「測る(観測する)」ようになった始まりや、さまざまな測り方(観測方法)を紹介しています。ある時刻の観測結果を1枚の紙にまとめたものが天気図です。今回は日本で最初の天気図が展示されています。
第2章の「大気と海を測る」ではさまざまな観測の方法や、天気予報の歴史を紹介しています。気象観測というとアメダスや気象衛星など地上や空からの観測をイメージする方が多いかもしれません。ここでは海の上での観測についての展示があります(図2)。
【図2】
第3章の「地球内部を測る」では直接見ることができない地球の内部を調べる方法、そこからわかることを紹介しています。
第4章の「宇宙や空から地球を測る」では、技術開発の進歩で、宇宙や空、人が立ち入れないような場所でも観測可能となりました。新しい測る方法を紹介しています(図3)。
【図3】
「人はなぜ地球を測るのか」では150年前に始まり、現在まで継続している観測で得られたデータがどのように活用されているのか?や、未来の観測について紹介しています。現在の天気予報で使われているスーパーコンピューター「富岳」の1世代前「京」のシステムボードが展示されています(図4)。
【図4】
今月下旬からは大型連休がはじまります。国立科学博物館にはこの企画展以外にもさまざまな展示があります。行ってみませんか?
(日本気象予報士会山梨支部・気象予報士・健康気象アドバイザー・防災士 志村啓子)