2024.08.23
木と漆喰の調和がとれた店内。落ち着いた照明がさらに雰囲気を出している
38年前にオープンした当時、県内で唯一深煎りのコーヒーを提供していたというカフェロッシュ。浅煎りコーヒーや牛乳主体のコーヒーブームに押された時もあったが、深煎りにこだわり続け、今に至る。
甲府市中心街の銀座通りアーケード沿いに、店につながる通路がある。ホットを注文すると、フレンチロースト(深煎り)のブレンドが注がれる。470円(税込)。店主・坂本優さん(65)の深煎り一筋の思いが詰まっている一杯だ。
「結構苦くて濃く、万人受けする無難な味ではない。深煎りといえばアイスコーヒーが主流だった本県に、都心で人気だった最先端のスタイルを持ち込みたかった」と振り返る。
店主こだわりの深煎りのブレンド。コクと苦味が特徴
内装は、昭和時代の代官山・カフェフォリオを参考に、「フランスの片田舎にあるような」木製の建具や家具、漆喰の壁でまとめている。店の中央には5人掛けのテーブル席があり、明るさを落とした照明が落ち着いた雰囲気を醸し出す。
食器はロイヤルコペンハーゲン(デンマーク)、リチャードジノリ(イタリア)、ウエッジウッド(イギリス)と、老舗高級ブランドでそろえる。店内では喫煙が可能のため、昔なじみの愛煙家も変わらず足を運ぶ。抽出の様子が見られるカウンターの奥の席がおすすめだ。
レトロ感が若者心をくすぐる「昭和のカプチーノ」はブレンドをアレンジした一品
近年のレトロブームによって脚光を浴びているメニューがある。ブレンドコーヒーに生クリームホイップを乗せたカプチーノ(570円)だ。昨年、「昭和のカプチーノ」と名前を変えたところ、若者がこぞって注文するようになった。香りづけのシナモンスティックがさらに〝レトロ感〟を濃くしている。
ところで、店につながる通路は、かつて「銀嶺(ぎんれい)」というカウンターのみの喫茶店だったという。その店主が高齢を理由に店を閉めたため、裏の駐車場3台分のスペースも使って新築したのがロッシュだ。坂本さんは「何とか駐車場3台分の元はとれたかな」と笑った。
店へは通路を入っていく
営業時間…平日午前11時〜午後10時半
(木曜は午後5時、金曜は同11時まで)
土曜は正午〜午後11時
日曜、祝日は正午〜午後9時
ラストオーダーは閉店の1時間前まで
定休日なし