《野球アナの備忘録》ここが見どころ! 夏の県大会

2025.06.27

《野球アナの備忘録》ここが見どころ! 夏の県大会

来月10日に開幕する第107回全国高校野球選手権県大会の組み合わせ抽選が19日に行われ、参加31チーム33校の対戦カードが決まりました。

春季関東大会4強で春夏連続甲子園を狙う第1シード山梨学院は2回戦から登場。抽選後の取材で梅村団主将(3年)は「2年連続で悔しい思いをしているので3年生が主役となって戦いたい」と闘志を燃やしていました。
開幕試合は甲府東(2010年以来2回目)と韮崎(1973年以来4回目)、3年連続で公立校同士となりました。韮崎は昨秋と今春、部員不足で連合チームでの出場でしたが、1年生が5人入部し昨夏以来、単独で挑みます。春は投打がかみ合い8強入りした身延が山梨学院と同じブロックに入りました。春4強の駿台甲府は打撃が売りの都留興譲館と対戦。能力のある駿台投手陣を興譲館打線が攻略できるかがポイントです。
春8強の甲府工対日大明誠も注目カード。昨秋は甲府工・五島大河投手(3年)が完投勝利を収めていますが、今夏はどうか。旧制中学時代からしのぎを削ってきた甲府一と日川は11年ぶりの夏の対戦。これまで接戦が多く、今夏も好ゲームが期待されます。



第2シード帝京三は古豪・巨摩の挑戦を受けます。阿武正人主将(3年)は「悲願の甲子園に向け、チーム一丸となっていて状態は最高」と意気込んでいます。中学時代に選抜や新人大会で優勝経験のある主力がそろう春8強の富士学苑は、地元で初戦を迎え勢いづきたいところ。現3年生の多くが生まれた2007年、夏の甲子園に出場した甲府商は、夏16年ぶりの勝利を目指す白根と対戦。甲府城西対山梨は攻守にまとまりのあるチーム同士の対戦で目が離せません。
春は38年ぶりに4強入りした甲府西は深澤広佑(3年)、古屋達輝(3年)の左右2枚看板の継投がカギ。好投手河田翼(3年)を擁する甲府昭和と昨秋以来の対戦となります。春8強の東海大甲府対日本航空は昨夏決勝の再戦で1回戦屈指のカードです。今春は初戦で山梨学院に敗れた日本航空ですが、昨夏の甲子園を経験した選手が残っているので激戦必至です。このブロックには吉田、笛吹、青洲、韮崎工の実力伯仲の公立勢がひしめきます。
開会式での選手宣誓は、甲府東の古屋太洋主将に決まりました。甲府東では第100回大会の大村雄基さん以来2回目の大役。昨年の選手宣誓は最後の札で決まりましたが、今年は古屋主将が希望者17人の中から最初に手にした札が「当たり札」でした。古屋主将は本抽選の順番を決める予備抽選で一番くじを引いていて、選手宣誓決定後の対戦相手を決める本抽選では開幕試合にあたる2番くじを引き当てたのです。03年から希望者による選手宣誓が始って以来、選手宣誓と開幕試合を引き当てたのは古屋主将が初めてです。古屋主将は「大会の士気があがるような宣誓にしたい」と話していました。
県大会は来月23日に決勝戦が行われ、甲子園県代表が決まります。開幕まで2週間、各チームは目標が明確になったことで総仕上げに入ります。選手には周囲への感謝の気持ちを持って、最後まで諦めずに挑んでもらいたいです。暑い最中、職場や家族の協力でジャッジを下す審判委員にも敬意を表し、この夏も、実況を通して球児を応援します。


(フリーアナウンサー 福士康啓さん)

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