2025.05.23
ステンドグラスが印象的なカウンター側の店内
コーヒーをゆっくりと味わいながら、のんびりしてもらいたいという思いから名づけられた「珈琲茶屋」(中央市成島)。鷹野正孝さん(77)と妻の純子さん(65)の2人が38年間、切り盛りする。木をふんだんに使用した内装で、スペインとイタリア製の照明のほか、大型のステンドグラスが店内を彩る。カウンター席のほか、友人らとのおしゃべりも気兼ねなく楽しめるテーブル席もある。
コーヒー好きの鷹野さんが仕入れる豆は、「県内で唯一」というUCC上島珈琲(兵庫)のスペシャルブレンド缶。鷹野さんはさらに自らブレンドと焙煎を重ねて、自身が求める豆に仕上げているという。最初の一杯は常に純子さんが味見。そのアドバイスを元に調整し、一杯ずつ豆をひき、優しく丁寧にハンドドリップしている。
おすすめのケーキセットはトッピングなどで見た目も華やか
ホットは「県内で一番熱いと思う温度」(鷹野さん)で提供するのは、ゆっくり過ごしてほしいから。最も注文されるクラシックブレンドは冷めるまでの間、いつ飲んでも味わいや香りに変化がある、こだわりの一杯だ。
また、冬場も注文が多いというアイスコーヒーに使用する氷は、アイスコーヒー自体を凍らせたもので、溶けだしても薄まることなく最後まで風味を楽しめる。いずれもたっぷり目に注がれ、ビスケットとアーモンドのサービスがあり、長居させてくれる。
アイスコーヒーは氷もコーヒーでできている
こだわりの一杯と、8種類の小さめサイズのケーキとアイスから三つ選べる「おすすめケーキセット」(1000円)は一番お得で人気のメニュー。専門店のケーキをアレンジし、色とりどりにトッピングして提供される。また、昨年からの新メニュー「珈琲ぷりん」は昔ながらの固めのプリンで、男性にも人気という。11月から3月限定のダッチコーヒー(水出しコーヒー)も人気メニューの一つ。約4㍑の水から調整弁で加減しながら最低でも6時間かけて抽出している。
営業マンや主婦のほか、最近ではSNSの口コミによって若い世代も利用しているという。また、山梨大医学部が近いこともあり学生も訪れる。純子さんは「なかには何十年も前に学生だった子が、『まだ営業している!』と懐かしがって足を運んでくれることもあり、うれしい」と話す。
鷹野さんは38年間を振り返り、「さまざまな〝波〟があった。今は物価高で大変だが、味を落とさずに提供できるうちは、店頭に立ち続けたい」と語った。
山梨大医学部近くに立地
珈琲茶屋
中央市成島1837-2
☎055(273)0858
営業時間…午前10時から午後8時
日曜・祝日は午後6時まで。ラストオーダーは閉店の1時間前
定休日…第1月曜