《お天気歳時記》生活の味方

2025.04.04

《お天気歳時記》生活の味方

前回は、さまざまな天気予報(短期予報、週間予報、季節予報)について取り上げました。今回は短期予報(明後日までの予報)よりさらに近い未来の予測についてです。

急な雨で濡れてしまった、今から外出するけれど傘を持って行くべきか、洗濯物は干したままで大丈夫かな、いま降っている雨はいつごろやむかな…といった経験はありませんか?

気象庁のホームページには気象レーダーで観測された雨雲の動きを見ることができる「高解像度降水ナウキャスト」があります。スマートフォンやパソコンで見ることができます(図1)。


【図1】


気象庁は全国20カ所に気象レーダーを設置して、日本全国のレーダー雨量観測を行っています(図2)。高解像度ナウキャストはこの観測データ、国土交通省のレーダー雨量計のデータ、気象庁、国土交通省、地方自治体が保有する雨量計のデータ、高層観測のデータなどを活用してどこでどのくらい雨が降るのかを5分ごとに1時間先まで予測しています。


【図2】


水平解像度(どのくらい細かい間隔で見えるか)は、30分先までは250メートル四方、それ以降は約1キロ四方で、情報は5分ごとに更新されます。予測時間は1時間先までと短いですが、実況に近い強雨域を表現(予測)できているそうです(図3)。さらに、雨雲の内部を立体的に予測する方法を使って積乱雲の発生予測にも取り組んでいます。これからの季節に増える局地的な短時間強雨への対策に役立つと考えられます。


【図】


高解像度降水ナウキャストは、今まさに雨が降っている時、雨が降りそうな時に行動を決める手助けをしてくれる強い味方です。

同じように「近い未来」を知る情報として「降水短時間予報」というのもあります。これは15時間先までの降水域や降水量を予測します。こちらについてはまた今度。

(日本気象予報士会山梨支部・気象予報士・健康気象アドバイザー・防災士 志村啓子)

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