2025.04.04
15席前後の店内。入口横には各種新聞や雑誌を置いている
妻の広美さん(82)と夫婦二人三脚で喫茶「マリーエ」を切り盛りする店主の高橋将夫さん(83)。オープンから46年がたつ。「生涯現役。これからも夫婦2人、支え合ってやっていくだけだよ」と朗らかに話す。毎日のように通う常連客もいる一方で、最近はSNSなどを見て訪れる若者も目立つという。
1979年、サラリーマンが肌に合わないと、都内のコーヒー製造会社の教室で作法を学び、37歳で脱サラし開業。自身の名前と、2人の子どもの名前の頭文字を合わせて店名を決めた。「妻の名前は入っていないけど、長音記号が妻。みんなをつなげる存在で一番重要」と笑う。
高橋さんのコーヒーのいれ方はシンプル。「注文ごとに新鮮な豆を素早くひき、素早く落とし、素早く提供」。ブレンドやアメリカンのほか、モカやウインナーコーヒー、カフェオレなど450~550円で香り豊かな一杯が味わえる。また、自家製の梅ジュース(500円)はオープン当初からの人気メニュー。「レシピは秘密」という原液は2カ月かけて手作りしている。
昔懐かしい味のナポリタンとコーヒーのセットは900円
食事は、家庭の味をアレンジしたオリジナルレシピ。特に、昔ながらの懐かしい味のナポリタンは、ハムの代わりにエビを使い、看板メニューの一つ。このほかピラフ、カレーなど、ミニサラダとスープがついて700円。ランチタイムでは、コーヒーつきでもほとんどのメニューが1000円以下だ。
また、午前8時からのモーニングタイムでは、トーストやチーズトースト、小倉ホットサンド、玉子ホットサンドにそれぞれ、サラダとコーヒーがつき、550~700円。低価格維持は「朝ごはんをしっかりと食べて、一日頑張ってほしいから。(自身も)若い頃に色々な人に助けてもらった恩返しのつもり」と話す。「楽しみにしている常連客のために」と、日刊紙のほか、各スポーツ紙や週間雑誌も置いている。
また、33年前に飛騨高山へ旅行した際に土産で手に入れた韃靼そば粉で開発したそばプリン(400円)も根強い人気。同そば粉に含まれるルチンは高血圧や糖尿病予防への効果が期待できるとされている。
韃靼そば粉を使った「そばプリン」
高橋さんは「料理は塩分を控え、健康志向を意識している。常連客の皆さんに健康でいてもらいたい。私たちも病気で休業したことは一度もない。仕事が薬になっている」と笑う。マリーエの天井は青空に雲が浮かぶ壁紙。あいにくの天候でも、気分が落ちこんでいてもマリーエを訪れれば、高橋さんご夫婦の丁寧な接客と、広がる青空でリフレッシュできる。
常連客も若者も集うマリーエ
喫茶マリーエ
昭和町西条3549
☎055(228)0916
営業時間…午前8時から午後6時
定休日…水曜