《お天気歳時記》秋は「ツユ」から?!

2024.09.06

《お天気歳時記》秋は「ツユ」から?!

9月7日は二十四節気の「白露」。暑さがようやく収まり、朝晩は気温の低下によって空気中の水蒸気が冷やされて露ができはじめる頃です。草花の葉先に透明な露が結び、太陽の光を浴びて白く光って見えるので「白露」とのこと。七十二候は初候「草露白」、次候「鶺鴒鳴」、末候「玄鳥去」です(図1)。

【図1】


秋は夏の湿り気が残っているところに、夜が長くなる、気温が低下するなどの条件が揃うことで露がよく結ぶようです。秋の二十四節気には白露のほかにもう一つ「寒露」があります。秋の始まりが白露、露がよく見られるようになり、秋本番となるのが寒露でしょうか。露は秋の季語でもあります。露は夏から秋へ季節の移ろいを感じられるポイントの一つかもしれません。

諸説ありますが、露は朝方にできることと、ちょうど月が美しく見える時季であることから、月が夜の間にこぼした「月の雫」とも呼ばれています。

今年の中秋の名月は9月17日です。「中秋の名月」とは、旧暦の8月15日の夜に見える月のことをいいます。旧暦で秋は7月から9月の3か月とされ、真ん中の8月は「中秋」と呼ばれていました。その真ん中の日、15日に見る月が「中秋の名月」です。一年で最も美しい月とされています。

中秋の名月というと満月のイメージが強いですが、実はそうとも限りません。月の満ち欠けのサイクルが29・5日であることや、月の軌道が楕円などの理由から、必ずしも中秋の名月と満月は一致しません。2021年から2023年の3年間は同じ日でしたが、今年は中秋の名月が17日、満月は翌日の18日と1日ずれます。次に同じ日になるのは2030年です(図2)。

【図2】


月は形によってさまざまな名前がついています(図3)。秋の夜空を見上げてみませんか。

【図3】


(日本気象予報士会山梨支部・気象予報士・健康気象アドバイザー・防災士 志村啓子)

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