2026.02.20
2月19日は二十四節気の「雨水」。暦の上では、寒さが少し緩み、降る雪やあられが雨に変わり、冬の間に降り積もった雪や、張っていた氷が溶け始めて水となる頃です。雪解け水で土が潤い始めるため、昔から雨水は農作業の準備を始める目安とされていました。
県内で春一番は発表されませんが、「関東地方で春一番が吹いた」というニュースを聞くと春を感じる方は多いでしょうか。雪が多く降る地方では、雨が春の気配を感じさせる一つとなっているそうです。
北海道では春一番がない代わりに「雨一番」という言葉があります。立春以降に初めて雪やみぞれが混ざらない雨が降ることで、気象庁の職員がつくった言葉です。春一番とは異なり、気象庁からの正式な発表はありません。
雨が降ると憂鬱な気持ちになることもありますが、この時期に降る雨は乾燥した空気を潤わせ、さらに春が近いことを実感できるからでしょうか、私は少しホッとします。
2月下旬から3月下旬にかけて降る雨は、雪を溶かす「雪消しの雨」、芽吹きを促す「木の芽雨」、花や草木に養分を与える「養花雨」、花を催す(早く咲くようせかす)「催花雨」、万物を慈しむ「慈雨」、など昔からさまざまな呼び方があります。植物を大切にし、花が咲く春を心待ちにしていることが強く感じられます。ほかにも、雨脚の細かさから「春雨」、無数の糸を垂らしたような細い雨から「万糸雨」などとも呼ばれます。
さらには「甘雨」という言葉もあります。草木を潤し成長を促す雨、恵みの雨という意味です。もともと天の恵みを意味する「甘露の雨」という言葉が、「甘雨」に変化したとされています。また、「甘」には味覚の甘さ(=sweet)だけでなく、やさしい、心地よいという意味もあり、ここから恵みの雨になったともいわれています。
2月後半以降は花粉の飛散が本格化します。晴れの日はもちろん、雨の日も、対策は万全に行いましょう。

水が大地を潤し始める
(日本気象予報士会山梨支部・気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー 志村啓子)