《お天気歳時記》火の用心

2026.01.23

《お天気歳時記》火の用心

1月26日は「文化財防火デー」です。

1949(昭和24)年1月26日、現存する世界最古の木造建築である法隆寺(奈良)の金堂で火災が発生し、約1300年前の飛鳥時代に描かれた仏教壁画の大半が焼損してしまいました。この年には2月に愛媛県の松山城、6月に北海道の松前城でも火災が発生しました。

これらをきっかけに文化財を火災などの災害から守ろうという世論が高まり、翌50(同25)年に「文化財保護法」が制定されました。

55(同30)年には、1月と2月は火災が発生しやすい時期であることから、法隆寺金堂の火災があった1月26日を文化財防火デーと定め、全国的に啓発活動などを行うようになりました。県内でも県や市町村、消防署によって、この日を中心に重要文化財などのある施設での防火設備の点検や整備、訓練を行っているそうです。

法隆寺金堂の火災の原因は、電気器具のスイッチの切り忘れ、漏電など、さまざまな説が出ましたが、断定はできませんでした。火災は、いつどこで何が原因で発生するかわかりません。

空気の乾燥も火災の原因となります。一般的に「空気が乾燥している状態」とは、湿度が低い状態です。湿度にはいろいろな呼び方があります。

一般的に湿度と呼ばれているものは「相対湿度」です。図のような式で求めます。気温が低下すると空気に含まれる水蒸気量は少なくなるので同じ湿度50%でも夏と冬では水蒸気量が異なります。気温30度と10度の時の湿度50%で比較すると、同じ湿度50%でも10度の時の水蒸気量は30度の時の約3分の1しかありません。



相対湿度が一日の中で一番小さな値になった時を「最小湿度」と呼びます。

最後に「実効湿度」です。これは木材の乾燥の具合を表し、数日前からの湿度を考慮に入れて計算します。

最小湿度が約25%、実効湿度が約60%より低くなると、火災が発生しやすくなる、発生した火災が広がりやすくなるといわれています。気象庁では、最小湿度や実効湿度をもとにして「乾燥注意報」を発表し、注意を呼びかけています。


(日本気象予報士会山梨支部・気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー 志村啓子)

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