《お天気歳時記》「クマ遭遇AI予測マップ」の研究が進行中 

2025.11.21

《お天気歳時記》「クマ遭遇AI予測マップ」の研究が進行中 

気象データ さまざまな分野で活用


今年は全国各地でクマの出没や被害が相次ぎ、深刻化しています。県によると、11月17日現在の県内のクマの目撃件数は283件、308頭、人的被害は6月と8月の2件。11月に入り、甲府市内では住宅の庭や線路での目撃情報がありました。

今までは自然豊かな山間地での出来事だったのが、市街地でも目撃されるようになるという異常事態となっています。クマ対策を「自分ごと」として考えることが必要かもしれません。

上智大大学院の深沢佑介准教授の研究室はクマとの遭遇リスクをAI(人工知能)で予測する技術を開発し、研究成果を論文で発表しました。

論文によると、過去の出没記録、土地、地形、気象、ドングリの豊凶状況、人口分布など、さまざまなデータを読み込んで予測しています。秋田県で検証したところ、2023年の遭遇事例を約6割の精度で予測しました。

この研究結果をもとに10月より「クマ遭遇AI予測マップ」をウェブ上に公開しています。


山梨県のクマ遭遇AI予測マップ(上智大大学院深沢研究室のサイトより)


公開されているマップは山梨県を含め19地点(11月18日時点、図)。マップ上に表示されている丸印(○)は、遭遇確率を色の濃さで、Ⅹは直近で実際にクマに遭遇した場所をそれぞれ表しています。

深沢准教授によると、赤の丸印とXが重複している場所は、もちろんですが、赤の丸印だけの場所にも注目してほしいそうです。研究により、クマとは山際や湿地帯で遭遇する確率が高く、川沿いのやぶを通るとの結果があり、マップにはそれが反映されているとのことでした。

現在公開されているマップには、まだ気象データは盛り込まれていないそうですが、今後は長期予報などの気象データも取り入れて予測精度を上げていきたいとのことでした。

なお、マップで丸印がない場所はデータ不足のために予測対象外、注意喚起の目的で作成した予測マップなので、自治体からの情報や現地の最新情報などと併せて利用してほしいそうです。


(日本気象予報士会山梨支部・気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー 志村啓子)

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