2025.10.24
戦没者の遺児らでつくる県遺族会はこのほど、甲府市内で県下戦没者遺族大会を開催した。約500人が出席し、戦没者と物故会員に黙とうをささげた。恒久平和を祈り、戦争の悲惨さを語り継ぐ誓いを新たにした。
この日、同会の藤巻進理事長は「今年は昭和100年、戦後80年、そして県下全戦没者の慰霊碑、沖縄甲斐之塔建立60年という大きな節目の年。世界では依然として紛争が絶えることなく、今この瞬間も幾多の尊い命が失われ、飢餓や貧困をもたらしている。私たち遺族は戦争の悲惨さと平和の尊さを永遠に語り継いでいく責務があると考えている」と述べた。
また、戦後生まれが国民の9割を超え、遺族も高齢化が著しい中で「組織の後継者育成は喫緊の課題。戦没者の孫、ひ孫は平和で豊かな時代に生を受け育った世代であり、遺族会の活動を理解し継承することは容易ではないだろうが、新しい発想で平和の語り部になっていただくことを期待している」とも語った。
その後「同会の運営と事業の推進、英霊の顕彰と戦没者遺族の援護向上のために貢献した」として県内12人を表彰し記念品を贈り、恒久平和を目指す大会スローガンも発表された。このほか、福岡県遺族連合会長で、自民党幹事長などを歴任した元衆院議員の古賀誠氏を招き「今、戦後80年」と題した講演も行われた。