借金させ「署に出頭せよ」

今年9月上旬、中央市在住の40代男性の携帯電話に「+」から始まる国際電話の番号から着信があり、「緊急事態のため、2時間後にこの電話番号を利用停止する。詳細を確認する場合は『1』を押してください」という機械音声が流れた。

男性が「1」を押したところ、電気通信事業者の職員をかたる男から「あなたの携帯電話から迷惑メールが多数送られていて、被害届が出ている」と言われた。続いて長野県警の警察官を名乗る男に代わり、「あなた名義の携帯電話が重大事件に利用されている」と言われた。

その後、携帯電話のビデオ通話機能で、検察官をかたる男から「事件を解決するためには、あなたの身柄を拘束するか、逮捕されないための保釈金として938万円が必要」と言われ、男性は指定された個人名義の口座に計938万円を送金した。その後も検察官をかたる男から「資金調査をする必要がある」と言われ、10回にわたり指定された口座に計8440万円を送金した。

さらに検察官を名乗る男から「消費者金融で金を借りられれば信用を確認できる」と言われたため、男性は消費者金融で計1203万円を借り入れ送金した。その後、警察官をかたる男から「事件を南甲府警察署に引き継いだので出頭するように」と指示されて出頭し、詐欺に気付いた。被害額は計1億581万円。

「あなたのお金を確認したい」

今年8月下旬、甲府市に住む70代男性が固定電話に出ると「2時間後に電話が止まる。詳細を確認する場合は『1』を押してください」という機械メッセージが流れた。男性が従うと警視庁の警察官をかたる男が出て「逮捕した犯人があなたから携帯電話を買って1400万円を渡したと話している」と言われた。

その後、検察官をかたる男から「あなたのお金を確認する必要がある」と言われ、男性が携帯電話を持っていないことを伝えると連絡用の携帯電話が送付され、SNS通話でやり取りを始めた。男性は相手の指示に従い、現金520万円を自宅付近の駐車場に置き、さらに金融機関の口座を開設。相手に口座情報を伝えた後、そこに現金1674万5344円を送金した。相手から「現金の確認は10月1日に終わり、返金する」と言われていたが返金されず、相手と連絡が取れなくなったことから詐欺に気付いた。被害額は2194万5344円。