2025.07.04
水蒸気とは空気に含まれている水分のことです。気体になった状態で目には見えません。
空気が含むことのできる水蒸気の最大量(飽和水蒸気量)は温度によって決まっています。1度では1立方㍍当たり5・2㌘、15度では1立方㍍当たり12・8㌘、30度では1立方㍍当たり30・4㌘と、温度が高いほどたくさんの水蒸気を含むことができます。
空気中の水蒸気量がそのときの温度における飽和水蒸気量に対してどれくらい含まれているかをパーセント(%)で表したものが「相対湿度」で一般的に「湿度」と呼ばれています。温度15度の時、水蒸気量が1立方㍍当たり12・8㌘であれば湿度100%、1立方㍍当たり6・4㌘であれば湿度50%です(図)。
相対湿度のように水蒸気の量や空気の湿り具合を表す方法は他に絶対湿度(水蒸気密度)、露点温度、湿数、比湿、混合比などがあります。
地球上には約14億立方㌔㍍の水が存在しているといわれています。その内訳は海水が約97・5%、淡水が約2・5%。淡水のうち南極や北極などの氷や雪が約1・75%、地下水が約0・76%、河川や湖が約0・01%、水蒸気が約0・001%です。水蒸気の割合は少ないですが、天気や私たちの健康に影響があります。
天気予報で「暖かく湿った空気が流れ込むため大雨が予想されます」と耳にしたことがある方は多いかもしれません。線状降水帯などによる大雨の発生には水蒸気が関係しています。
気象庁は予測能力向上のため、水蒸気の監視を強化しています。2021年3月以降、アメダス(地域気象観測所)の機械を順次更新して湿度の観測も行うようになりました。県内でも21年から古関と南部、24年から韮崎、勝沼、大月で新たに相対湿度の観測が始まっています。
また、湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、体温調節が難しくなるため、熱中症のリスクが高まります。環境省から発表される「暑さ指数」(WBGT)の算出には湿度の影響も加味されています。