ミネラル水 増産体制強化
「環境配慮型工場でコスト減」
サントリー天然水南アルプス
喜田 哲永 社長
「山梨新報」2010年5月14日掲載
北杜市白州町にこのほど完成した「サントリー天然水南アルプス」の新工場で今月からミネラル水の出荷が本格化している。新工場は太陽光発電の導入や、製造工程で使用した水や熱の再利用など環境に配慮。同社のミネラル水ブランド「天然水(南アルプス)」の新たな生産拠点として、増産体制が整った。工場長を兼務する喜田哲永社長(50)に聞いた。
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同社はサントリー食品の100%子会社で、2008年に設立。サントリー白州蒸留所・天然水白州工場の敷地内に先月下旬、完成した新工場で「天然水」の2㍑ボトルを製造、既存の「天然水白州工場」は500㍉㍑ボトルのみの製造に集約した。新工場は東日本向けの「天然水」の生産力増強が狙いだが、既存工場を拡充するよりも、独立採算制の新会社によって新工場を管理・運営する方がコストや技術面でも効率的という。
新工場は最大で年間3600万ケース(1ケースは2㍑ボトルで6本入り)を生産、既存の工場と合わせ4割増の計5200万ケースの生産が可能という。
ただ、日本ミネラルウォーター協会のまとめでは、ミネラル水の国内生産量は09年で前年比3・7%増の約208万9000㌔㍑。生産量自体は年々増え続けているが07年以降、伸び率はわずかながら落ち込む傾向にある。同社長は「安定期に入っているが、需要は縮小しておらず、中期的には間違いなく伸びる市場」と強調。今年は昨年実績の3400万ケースを100万ケース上回る3500万ケースの出荷を見込む。
工場の総工費130億円。屋上に設置した太陽光パネルで約2割の電力を賄うほか、ペットボトルの洗浄用などに使用する水を8割回収し、商品以外に使用する水の量を50%抑制。ペットボトルを過熱する際、発生する余熱を暖房に使うなどして、工場全体の二酸化炭素排出量を年間24%(3700㌧)削減できるという。
また「国内最軽量」の2㍑ボトル(36㌘)も場内で製造、熊本と鳥取の「天然水」工場に供給している。
実は新工場の設計を手掛けたのは同社長だ。01年に「天然水白州工場」に開発担当の課長として赴任。08年にプロジェクトチームで、「環境配慮型工場」の設計に丸1年かけた。
「環境に配慮することはコストが掛かると思われがちだが実は逆。環境にやさしい分、エネルギーを使わないため、生産コストは既存工場に比べ格段に安くなる」という。
その上で、同社長は「ハード面ではイメージ通りの工場ができた。これを生かすために、どう人を育て運営するか、これからが本番」と話している。
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