韮崎・中心商店街に出店へ
「成功事例つくりたい」
やまと
小林 久 社長
「山梨新報」2010年7月2日掲載
スーパーのやまと(本部・韮崎市)は今秋をめどに同市本町2丁目のコンビニエンスストア跡地への出店計画を進めている。出店する中心商店街は空洞化が進展しており、「少子高齢化に向けた新たな店舗展開のパイロットケース」と位置付けている。小林久社長(47)に聞いた。
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同市内はJR韮崎駅前の再開発に伴い、大型ショッピングセンターがオープンする一方で、旧市街地の本町通りはコンビニ2店が閉店するなど高齢者を中心に歩いて食料品を購入できる店が減少。このため、市や市商工会から出店の打診を受けたのがきっかけという。市は国の緊急雇用対策を活用し、家賃や人件費など2年間、補助することを検討している。
出店するのは「本町通り店」(仮称)。空き店舗となっているコンビニをそのまま活用、店舗面積約66平方㍍と、11店の中でも最小規模。歩いて買い物ができる半径500㍍の商圏には、1500世帯3400人が住み、このうち65歳以上の高齢者は約3割を占めている。
このため、商品の品ぞろえを厳選し、野菜、果物、魚、肉など生鮮食品や日替わりのサービス品はじめ昨年2月の発売以来、125万食を売り上げた格安の「298円弁当」など最小限の売れ筋を置くことで商品の回転率を上げ、「年間1億円」の売り上げを目指す。他店舗と同様、食品の小分けやばら売りのほか、ペットボトルの回収やポイントカードも使用できる「やまとのミニ版」にするという。
「おにぎり一つ買えない〝買い物難民〟の受け皿として、まちなかに暮らしている住民の食生活をカバーできる店にしたい」と小林社長。出店する本町通り商店街には特別の思いがあるという。本町1丁目は大正元(1912)年、祖父牛蔵氏が同社の前身に当たる鮮魚店を創業した地だが、社長に就任した2001年に赤字続きだった本店を閉鎖する決断をしたのは当の小林社長だ。
社長就任以降、経営の行き詰った個人スーパーの営業権を取得するなど同業者の跡地に出店する店舗展開を進め、その数は11店中、5店に上る。総菜などは1カ所でつくり、各店に搬送。売れ残りは他店で値下げして販売することで廃棄ロスを少なくし利益率を上げる。備品などはそのまま使用、従業員も継続雇用するため、新たな経費や人材教育費も必要ない。「要はやり繰りだけの問題」という。ショッピングセンターを展開する大手スーパーがまねできない小回りのよさが強みだ。
「食品を売り、出店する立場を離れ、逆の立場で考えると、まったく違った視点が見えてくる」。こうしてできたのが「298円弁当」や一個50円の寿司バイキングだ。今回の出店計画もその延長線上にある。中心街への出店は冒険だが、補助金の助成期限が切れても継続したい考えだ。「赤字を出さずに成功事例をつくりたい」
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