EU輸出に追い風 「甲州」国際登録
「総合ブランドとして定着」
県ワイン酒造協同組合
三沢 茂計 理事長
「山梨新報」2010年4月23日掲載
甲州種ワインの原料となるブドウ品種「甲州」が、ワインに関する国際的な審査機関「葡萄・ワイン国際機構」(OIV、本部パリ)に早ければ6月、登録されることになった。これによって、欧州連合(EU)向けの輸出ワインのラベルに「甲州」の表示が可能となる。県ワイン酒造協同組合の三沢茂計理事長(中央葡萄酒社長)は「(登録は)甲州種ワインが国外市場にデビューする第一歩となる」と輸出促進につなげたい考えだ。
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OIVへの認定をめぐっては、2008年度から県が登録申請に必要な甲州種の特性を分析したデータを提出するなどして外務省や国税庁へ要望。今月2日、県に朗報が届いた。日本固有の品種登録は初。
同組合は甲州種ワインのEU輸出プロジェクトとして加盟15社が今年1月、県などと共にロンドンでPR活動を展開。当初は2年後をめどに英国、スウェーデン、オランダなどのレストランやワイン専門店などを対象に年間1万本の輸出を計画していたが、ロンドンでのPRで「繊細でドライな風味と、和食など低カロリーな食事との相性が評価され、引き合いが相次いでいる。計画を前倒しする必要も出てきた」と予想以上の反響を喜ぶ。
国際的に「マイナー品種」といわれた甲州種。登録決定で、EUへ輸出するワインのラベルにこれまで表示できなかった「甲州(Koshu)」と明示できることが最大のポイントだ。同理事長によると、米国やニュージーランドなどワイン新興国は品種を全面に打ち出し、消費者に訴える市場戦略を展開しているという。輸出実績がほとんどない甲州種ワインにとって「品種の特性が分かりやすくなり、ブランドが明確になる。EU輸出に有利」とみる。海外での評価が高まることで国内市場への波及効果も期待する。
ただ、EU輸出は最近の円高傾向など追い風ばかりではない。採算面から試験的に参加しているワイナリーもあり、「ようやくスタートラインに立ったばかり」だ。厳しい制約のあるEUのワイン法に基づいたブドウ栽培の研究や産地表示問題などが長期的な課題になるという。特に産地表示は業界が定めた国内基準で、同一地域内で収穫されたブドウが75%以上で表示できるのに対し、EUでは「85%以上」と厳しいため、現段階では「山梨」とラベルに表示することはできない。
同理事長は「フランスなど伝統的なワイン生産国はブドウ産地と品種が〝一体化〟し、総合的なブランドとして定着している。一日も早く『山梨の甲州種』と言われるよう認知度を高めたい」と話している。
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