農業、ゴルフ、アウトドアで相乗効果
テーマは「家族」
ヴィンテージリゾート
山田 守郎 社長
「山梨新報」2010年6月4日掲載
「あなただけのワインを育てませんか」―。ゴルフ場を経営する「ヴィンテージリゾート」(北杜市須玉町)が耕作放棄地約3㌶に整備を進めていた醸造用のブドウ農園がこのほど完成した。植樹されたブドウの苗木はオーナー制を導入し、新たな顧客層の開拓を図る。農業参入はゴルフ場としては県内初。今後の事業展開について山田守郎社長(60)に聞いた。
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農園「ヴィンテージファーム」のお披露目となる開場式には親子連れなど関係者約100人が参加、ブドウの苗木約1万本を植樹した。2年後に収穫、醸造委託してオリジナルワイン2万1000本を生産。ワインはゴルフ場のレストランなどで販売するほか、オーナー会員(一口1万500円)に3本プレゼント。農業体験できる収穫祭などのイベントにも招待する。
同社長は「これからのテーマは家族」と言い、「昔は親子3代、一つ屋根の下で違う世代の話を分かち合えた。今は核家族化が進むなど家族不毛の時代。家族で行う農業体験はコミュニケーション復活の手段となる」と説明する。オーナー会員は現在約400人。ゴルフ会員以外が3分の2を占めており、今後も一定の需要を見込む。
現在、ゴルフ場の敷地内に整備を進めているアウトドア施設もその一環だ。約16㌶の山林に散策路や展望台、オートキャンプ場などを整備し、ブドウ農園やゴルフ場との相乗効果を図る。また、NPOとも連携し、宿泊しながら地域の自然や文化を体験してもらうグリーンツーリズムを推進するなど計画は盛りだくさんだ。
「家族」への着眼は、6年前から月1回、韮崎市内の自宅で主宰している寺子屋「山田道場」のテーマの一つだった。「家族喪失論」「人間品格論」「生きる本質論」…。道場は山田社長の講演と、落語家や和太鼓奏者、礼法指導者ら外部の講師を招いた勉強会。「家族の歴史は人間教育に大きな役割を果たしてきた」との思いは強い。
ダイワ精工時代はトップセールスマンで知られ、49歳の若さで本社営業本部長に抜擢された。01年、同社が経営するゴルフ場に出向。会員から集めた預託保証金の償還期限を前に、資金難で民事再生法を申請。その後、新会社の支配人として建て直しに奔走した。今では20~30代の経営者の卵に、営業のノウハウや会社経営を伝授する「青雲塾」も主宰する。
「(家族という)テーマは壮大だが、わずかでも今できることをやれば、結果的に長期滞在型観光という北杜市の施策にも貢献できる。会社にもプラスになりますから」
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