イタリア産食材を販売
GSへ集客、売り上げアップへ
吉字屋本店
高野 孫左ヱ門 社長
「山梨新報」2010年9月3日掲載
ガソリンなど販売する吉字屋本店(甲府市中央4丁目)は今年中に、ガソリンスタンド(GS)にイタリア産食材のアンテナショップを併設し、本格販売に乗り出す。女性客を中心に集客力を向上させ、GSの売り上げアップを図る狙いがある。高野孫左ヱ門社長(54)に聞いた。
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取り扱う食材は、シチリア産の塩をはじめチーズ、パスタ、トマトソース、オレンジジュース、オリーブオイルなど。同社や関東地域の同業者が共同出資して設立したジャパンソルト(東京)が輸入した商品で、先月からグループ会社の山梨トヨペットが行ったイベントなどで販売、「好評だった」という。年内にはGS内に店舗を構え、販売を開始する。場所は甲府市の「アルプス通りプラザ」店を検討しているという。
県石油商業組合によれば、2000年度に615カ所あった県内のGSは、施設の老朽化や後継者不足などで、この10年間で約150カ所も減少するなど淘汰(とうた)が進んでいる。同社も「ガソリン収益の減少」で、12カ所あった直営のGSを半数の6カ所に統廃合している。
こうした中、GSで食料品を販売することで、定期的に来店の頻度を高め、給油だけでなく、車検や修理などにもつなげ、相乗効果を図りたい考えだ。軌道に乗れば、山梨トヨペットの営業店でも販売を検討する。「(主力の)〝マークⅡ世代〟は50歳以上で、家庭の財布のひもは主婦が握っており、十分アピールできる」とみる。
同社は永禄11(1568)年、越後の上杉謙信が武田信玄に送った塩を、越後から運んだ功績で信玄から甲州金に彫刻された「吉」の字を贈られたのが起こり。塩、灯油、ガソリンを含む石油製品の販売など生活必需品を手掛けてきたが、「次のステップ」として、化石燃料に替わる住宅用の太陽光発電システムの販売にも力を入れる。
実は県内ではいち早く22年前から同システムの取り扱いを始め、車に蓄電できる電気スタンド(EVステーション)も備えた太陽光発電システムを直営のGSに導入するなど先駆的な取り組みをしてきた。
行政の補助制度創設を機に2年前、LPG(液化石油ガス)部をエコエネルギー部に改称。同システム専任の営業マンを配置し、販売を強化した。「現在、補助制度もあり普及への過渡期にある」が、来年、取引先の昭和シェル石油が宮崎に最新型の太陽光発電パネル工場を稼働するのに合わせ、「年間12、13件の販売を、最低でも20、30件に伸ばしたい」という。
昨年12月、18代目の「孫左ヱ門」を襲名。「日に日にことの重大さを痛感している。周囲から先代の孫左ヱ門のイメージで見られ、それで助けられている面がある」と同社長。「存在感を示すのはこれから。食材販売や太陽光など新事業はその一環だが、塩や石油製品を扱ってきた流れを大事にしながら何ができるのか、前線に立つ社員と、その思いを共有しながら顧客に支持、信頼される関係を維持していきたい」
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