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集客で産地化
かざり
体験型施設へリニューアル
シャトー・メルシャン
斎藤 浩 GM
斎藤GM
「山梨新報」2010年9月17日掲載

 ワイン醸造のメルシャン(東京)はこのほど勝沼ワイナリー(甲州市)の生産設備と見学施設を約10億円かけてリニューアル、新たに「シャトー・メルシャン」として国産ワインの「体験型情報発信基地」を目指す。醸造と施設の責任者である斎藤浩ゼネラルマネジャー(GM=工場長・54)に聞いた。

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 リニューアルは、同社が昨年発足させた「ワインニューフロンティアプロジェクト」の一環。ワインを身近に感じてもらい、潜在的な需要喚起や市場拡大を目指すのが狙い。
 生産施設では生産能力を従来の年間65万本(720㍉㍑)から3割増の約85万本に増強。ワインの地下保管庫や貯蔵タンクの温度を一定に保つシステムを導入するなど「高品質なワイン造りに必要な設備」を整えたほか、県文化財に指定されている既存のワイン資料館の隣接地に、ワインの試飲や軽食などを提供する「ワインギャラリー」も新設した。さらに見学ツアー(有料)にも力を入れる。
 同社の前身は明治10(1877)年、勝沼で創業された日本初の民間ワイン会社「大日本山梨葡萄(ぶどう)酒会社」。「このワイナリーは日本のワイン造りの歴史そのものが凝縮されている。勝沼とワインの歴史や、ワインの楽しみ方など幅広い情報を伝えていきたい」と強調する。初年度は改装前より約1万人多い「8万人」の来場者を目標に掲げている。
 同社は地元中小ワイナリーでつくる勝沼ワイナリーズクラブにも参加。フランスの「シュールリー」と呼ばれる伝統的な製法を甲州種ワインに応用した技術や、甲州種から柑橘(かんきつ)系の香りを引き出す収穫時期などを同業者に公開してきた。「全酒類に占める国内のワイン消費量はわずか2%と市場規模は小さく、1社が独自の活動をしても限界がある。情報公開によって、ワインメーカーの品質が向上し勝沼、ひいては山梨が屈指のワイン産地としての地位を築けるよう貢献できれば」と説明する。
 県内のワイナリーではサッポロワイン勝沼ワイナリーがリニューアル工事に着手しているほか、中小メーカーもレストランを整備したり、ブドウ狩りをセットするなど集客に向けた動きが加速しているが「切磋琢磨(せっさたくま)し魅力あるワイナリーが増えれば、ワインツーリズムなどでお互いに恩恵を享受できる関係になれる」とみる。
 同工場長は富士川町(旧鰍沢町)出身。1981年、メルシャン入社。醸造用ブドウ栽培などを担当してきた。
 「ワインは購入して楽しむだけでは完結しない。ワイン造りを下支えしているのは醸造用ブドウを栽培する農家。トータルでワイン造りを実感してもらうためには、こうした背景を理解する施設が必要かもしれない」。将来的に敷地内の農地に吊(つ)り棚方式のブドウ畑を整備したいという。

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