リサイクルインク海外へ
「セレモニー」は地元密着
企業の原点 人にあり
ジット
石坂 正人 社長
「山梨新報」2010年4月2日掲載
プリンター用のリサイクルインク製造販売を手掛けるジット(南アルプス市和泉)。不況下、低価格とエコブームを追い風に今月から台湾での販売を開始、海外進出を本格化させる。一方、子会社で冠婚葬祭業のジットセレモニー(甲府市高畑2丁目)は地元密着型の戦略。石坂正人社長(45)は「ものづくりもサービスも原点は人(社員)にある」という。
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使用済みのインクカートリッジを再利用したリサイクルインクで業績を伸長。「純正品の2倍」に増量したオリジナルインクも開発し、昨年の全国販売シェア(10~12月)は純正品以外で初めて1位になった。純正品に比べ「安価で環境に配慮した製品」としてPRし、09年6月期の売上高は17億8000万円。本社敷地内に5月稼働予定の工場を増築するなど増産体制を整え、今期は30億円を見込む。
今年を「海外戦略元年」と位置付け、海外に販路を持つ文具メーカー「ぺんてる」と業務提携。同社ブランドでリサイクルインクが浸透していない台湾のコンビニエンスストアなどで販売を開始する。2年後にはアジアや既に営業拠点がある米国などに向け販路を拡大する計画だ。
「リサイクル・オリジナルインクで国内から海外へ、冠婚葬祭事業は山梨での事業展開を目指す」という石坂社長。グループのもう一つの柱となる「セレモニー」は1996年に創業。実弟の葬儀で「遺族との打ち合わせもなく、価格が不透明という不愉快な思いをした」ことがきっかけだった。過当競争の中で「充実したサービス」を社員に説く。
甲府工高卒業後、建設会社、OA機器メーカーを経て91年、26歳の時に創業。家庭的に恵まれず、小学4年で「会社を興す」と決意した。数年前まで「超ワンマン」だった猪突猛進型の経営方針を「チームワーク重視」に百八十度転換した。
「倒産の危機に直面し、社員や家族、友人に助けられ、周りがあっての自分に気が付いた」という。社員全員参加の桃源郷マラソン大会や、家族連れで参加するグループ新年会なども恒例化した。
7月で創業20周年を迎える。「ようやく出すぎる杭は打たれない」と実感するようになった。天下統一の基礎をつくった織田信長、後を引き継いだ豊臣秀吉、江戸幕府を開き、安定政権を築き上げた徳川家康の3武将を例に挙げ、「今はまだ秀吉かな。目指すのは家康。従業員に安心して仕事をしてもらうために会社の存続発展が最終目標。そのために利益や売り上げを伸ばしたい。山梨に不可欠な企業となり、従業員の年収も山梨一にしたい」。「創業30年目となる9年後には引退」と決めている。それまでは創業者として会社の基礎づくりに専念したい考えだ。
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