秋に「白」も発売
ノンアルコールで販路拡大
シャトー勝沼
今村 英勇 会長
「山梨新報」2010年6月11日掲載
老舗ワインメーカーのシャトー勝沼(甲州市勝沼町)が発売した赤ワイン風味の「ノンアルコールワイン」が好調だ。月20万本のフル生産が続いており、秋には白も発売予定。国産ワインが低迷する中、新たな需要の掘り起こしに向け、ノンアルコール市場に攻勢を掛ける。開発を手掛けた今村英勇会長(71)に聞いた。
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同社が発売したノンアルコールワインは「Katsunuma Grape(カツヌマ・グレープ)」(720㍉㍑、1050円)。同社によると、醸造後にアルコールを除去する従来のノンアルコールワインと異なり「アルコール度数0・00%の本格的なゼロ商品」が売りだ。独自の技術でブドウの濃縮果汁に静岡県産の緑茶のカテキンを配合、赤ワイン特有の渋みや苦味を出したという。
3月の発売後、都内の三ツ星レストランなど高級店や、テレビの通販会社から問い合わせや注文があるなど手応えは上々のようだ。今後、増産体制を整え、9月をめどに白ワイン風味の商品も発売し、月約6万本の生産を目指す。ただ、メディアで取り上げられ、話題先行の側面もあるだけに「しっかりファンを定着させたい」とも。
ワイン市場は、価格の安い外国産ワインに押され、「つくれば飛ぶように売れた」(同会長)約10年前の赤ワインブーム以降、国産ワインの消費量は頭打ち傾向にある。一方、ノンアルコール市場は飲酒運転の罰則強化でアルコール類の販売が低迷していたゴルフ場や結婚式場などで一定の需要が見込めるほか、「清涼飲料水」のため、酒類販売ができない高速道路のサービスエリアや、酒類販売免許を持たない小売店でも扱えるなど販路拡大が可能になる。それだけに「(ノンアルコール市場は)時代のニーズに合い、今後さらに成長を続ける市場」と位置付ける。
「直営レストランに車で来た人にもワインを楽しんでもらえないか」─。新商品のヒントは身近にあった。3年前から開発に着手。ワインと緑茶の意外な取り合わせは、毎日飲んでいる濃い目の日本茶がワインの渋みに似ていることからひらめいたという。
同社は明治10(1877)年創業の老舗。同会長は約20年前に行政や農協の依頼を受け、キャベツやニンニク、タマネギなど地元特産物を使ったご当地ワインを開発したアイデアマンでもある。「単にブドウジュースでは芸がない。長年の醸造技術とまちおこしワインで培ったノウハウがあったからこそ」だが、同会長は「ワイナリーの本業はあくまでもワイン。今回の商品をワイン入門として、消費が低迷する国産、県産ワインを広く知ってもらうきっかけになれば」とも話している。
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