ヘッダー

トップインタビュー
自前の梅畑で原料確保
かざり
付加価値高め販売へ
長谷川醸造
長谷川 正一郎 社長
長谷川社長
「山梨新報」2010年9月24日掲載

 高齢化や後継者不足で20年前に比べ県内の梅収穫量が半減する中、梅加工・販売の長谷川醸造(南アルプス市鏡中条)は、安定的な原料確保に向け、自家農園での梅栽培を本格化させる。収穫した梅は加工し、高価格帯で売り出す。長谷川正一郎社長(45)に聞いた。

  ●  ●  ●  ●  ●

 同社は明治39(1906)年創業で、100年余り続く老舗。長谷川社長は4代目。「社名からよく造り酒屋と間違えられる」が、もともとは醤油(しょうゆ)醸造業。機械化に伴い安価な醤油が販売されるようになり、昭和35(1960)年、醤油醸造の技術を生かし製造を始めた「甲州小梅」の梅干しや梅漬けなど漬物が、今では売り上げの95%を占めている。
 県外や中国産などの輸入した梅を原料にしている業者が多い中、同社は地元南ア市や笛吹市、甲斐市などの栽培農家から買い取った梅を原料にしている。このため、栽培農家の減少という課題に直面している。
 県によると、20年前の90年度に梅の収穫量は4000㌧あったが、昨年度は1850㌧と、ほぼ半減。栽培面積も846㌶から480㌶と4割減った。梅の栽培は、ブドウやモモに比べ栽培に手間がかからないため、峡東、峡中地域で盛んになったが、年によって価格変動が激しく安定した収益が見込めないことや、高齢化や後継者不足などが収穫量減少の要因という。
 このため、同社は昨年、市内の農地660平方㍍を購入し梅の木を50本植樹。さらに来年は遊休農地計9900平方㍍を農家から借り、500本程度を植える予定。自前の農地で原料全体(年間300㌧)の1割程度の確保を目指す。こうして収穫した梅は「ワイナリーが自家農園で良質な醸造用ブドウを栽培するように、自家栽培で少量生産という付加価値を売り物としたトップブランド商品として販売する」計画だ。
 ただ、胸中は複雑だ。7年前に社長に就任して以来、「(梅農家から)県産梅を買い取ることが地域貢献につながり、それが会社の存在意義を高める」と信じてきたからだ。それでも「自家農園の運営に乗り出すことで、周辺の農家へ梅の栽培を促すことができれば」と期待を掛ける。
 現在、市場に出荷できない規格外のモモ、キウイ、スモモ、梅を活用したピューレやドレッシングといった新たな商品開発にも取り組んでいる。早ければ12月にも販売したい考えだ。「地域貢献の一環。会社にとってもスーパーなど取引先へ、新たな切り口として提案できる」メリットがあるという。同社長は「漬物をはじめ、商品を手土産に選んでもらえる会社を目指したい」と話している。

「Top Interview」トップへもどる

Column0
{column0}

{column0} {column1} {column2} {column3}

掲載の記事・写真の無断掲載を禁じます。著作権は山梨新報社に帰属します。Copyright © The YAMANASHI SHINPOU.