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2010.9.3 
選択
 松下政経塾28期生6人のうち、1人が昨夏の衆院選で民主党から出馬し当選。残る5人中4人がいずれも自民党公認候補として今参院選に挑戦し、山梨選挙区に出馬した宮川典子氏を除く3人が当選した。そのうち比例で当選した2人が7月31日の初登院で国会に一番乗り。開門と同時に深々と一礼したが、1人の手に小さなアンパンマン人形が握られていた。アンパンマンは宮川陣営が選挙期間中、シンボルキャラクターにしていた。「内緒で仲間が私の思いを(国会に)連れて行ってくれた」。生中継されたテレビの前で感激しきりだったという。3745票差。僅差で敗れた宮川氏は今、支持者へのあいさつめぐりに奔走している。消費税騒動の追い風を生かし、あわや〝巨象〟を倒しかねない接戦を演じてみせた先の参院選。政治的手腕は未知数ながら31歳という武器を手に、今後どんな政治目標を定めていくのか。
 「次は絶対に負けられない。だからこそ(将来について)ものすごく考えている。2回連続負けることは政治家にとって致命的。3回目は『出てくれ』という言葉が、当たり前のようには出てこないものだ」。〝次〟に賭ける思いは強い。ここまで「約200軒」という支持者へのあいさつまわりの中には「参院議員を2期務め、その次は知事選へ」という意見もあったそうだが、一番多かったのは「(衆参問わず)早く国政へ行って欲しい」という要望だったという。県議団内の主導権争いで足踏みを余儀なくされているが、近く県連は次期衆院選の3小選挙区の候補すべてを公募する手続きに入る。当然、同氏の視界にも次期衆院選が入っているが、「希望の選挙区うんぬんより、今戦うべきか、戦うなら(衆院選候補として)何が必要か冷静に分析しなければならない」と慎重に言葉を選んだ。縁のある選挙区と言っても、出身地・1区には松下政経塾の先輩で参院選でも応援してくれた赤池誠章氏、亡き実父の出身地(笛吹市八代町)である2区にも参院選で支持してくれた長崎幸太郎氏がいる。なかでも無所属の長崎氏は県連の公募に前向きな姿勢を見せている。しがらみの中、正直な気持ちを打ち明ける。「自分がどこかの選挙区から出馬し混乱を起こすのはいいことではない。山梨の保守がばらばらになるのは心外。それならいっそ3年後の参院選か。でもそうやって迷っているうちに政治家の名前なんて忘れ去られてしまう。そうなったら元も子もない」―。
 母方の曽祖父が自民党の熱烈支持者だったという〝血〟もある。松下政経塾では民主党含め選択肢は広がったはずだが、31歳は自民にこだわった。「今、政治が置かれた環境は厳しい。でも与えられた環境の中で新しい視点でやることが大事」と言う。それだけに県連にとって同氏は貴重な国政選挙候補の一人。ただ様々な期待感が寄せられる分、宮川氏にとっては参院選出馬時をはるかに上回る、難しい政治的選択が目前に迫っている。

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