山梨県内のニュースを独自の視点で解説。
2010.7.30
原点
07年夏の民主党参院人事。輿石東参院議員会長は全盛期の自民党の派閥均衡型人事を彷彿とさせた。小沢グループ、鳩山グループ、旧民社党系などを配慮したバランス人事。派閥間の不満を封じ、挙党態勢を敷く知恵。しかし自身が所属する横路グループからは一人も登用しなかった。「政治とはこういもの」。記者に諭すようにこう述べて笑った。輿石氏がこのほど参院議員会長に再選された。押しも押されもしない党内実力者に上り詰めた同氏。参院人事などで見せた自民党的手法などを通じ、政治家としての〝原点〟が垣間見えてくる。
参院議員会長に就任当初、韮崎高校の先輩に当たる故中島真人参院議員(当時)が、輿石氏と自民党参院議員会長の青木幹雄氏を引き合わせたことがある。青木氏といえば元祖「参院のドン」。中島氏にとって青木氏は「政治的恩師」であり、その側近を任じていた。当日の会談内容は3氏ともだんまりを決め込み真相は不明のままだが、その後、自民党など党派を超えて人間関係を構築していった輿石氏を象徴する会談となった。07年12月に中島氏の叙勲を祝う会で、挨拶に立った輿石氏は「参院では党は違っても青木、中島両氏という良き先輩に恵まれたことを誇りに思う」と述べている。その中島氏と輿石氏は同窓であると同時に、政治的には金丸信氏系久親会の山野慶蔵元総合委員を介し、急接近した。輿石、山野両氏は、望月幸明県政を誕生させた1979年知事選時の同志。保革連合陣営を形成した旧社会党と旧金丸派の主要メンバーだった。大苦戦した今参院選だったが、その山野氏らが今年2月初め、昭和町の高級割烹で輿石氏の激励会を開いた。出席したのはほかに望月元知事、白倉政司北杜市長、宮島雅展甲府市長、相馬紀夫元県議ら。旧社会党からも元県議だった高田清一元山梨市長、三村賢治氏が駆け付けた。席上、山野氏は「輿石氏と山教組が支援してくれなければ(79年の)知事選に負けていた。その恩返しをしなくてはならない」と述べた。かつては知事選必勝の方程式だった保革連合も前回知事選で事実上、終止符を打ったとの見方は強い。だが「(昭和)54年知事選」を同志として戦った顔ぶれには今も連帯感が強い。「選挙の恩は選挙で返す」。今参院選でも自民党県連幹事長まで務めた白倉、相馬両氏らが明確に輿石氏支持を打ち出した。輿石氏の現在の地位は小沢一郎前幹事長の存在抜きに語れないが、同時に参院民主の調整手腕の背景には、議員会長就任以来の党派を超えた人間関係があったことは疑いのない事実。その源こそ望月県政3期12年で培い、吸収した人間関係と自民党的手法ではなかったか。
2010年7月23日付「尖兵」
2010年7月16日付「自滅」
2010年7月9日付「始動」
2010年7月2日付「不偏不党」
2010年6月25日付「県庁不信」
2010年6月18日付「自民の血」
2010年6月11日付「二大政党制」
2010年6月4日付「利害」
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