山梨新報「記者の目」 10.3.12

参院選序盤

「地上戦」対「空中戦」
自民 組織力生かし"ドブ板"
民主 政権党前面に団体接近

 「空中戦」対「地上戦」の様相を呈している。民主党県連が政権党の強みを生かして業界団体に新たな支持勢力を開拓しようとしているのに対し、自民党は民主党に欠ける組織力を生かしたドブ板戦術で対抗するなど、両党、ここまで対照的な戦いを見せている。

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自民党県連が開催した支部代表者会議(7日)



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民主党国会議員と県歯科医師連盟の懇談会(6日)


選挙戦術

 「今日から本格的な選挙体制をつくらねばならない。ぜひみなさんの熱意を結集したい」。自民党県連は7日、甲府富士屋ホテルで市町村支部代表者会議を開き、冒頭、皆川巌幹事長はこうあいさつした。
 会合の目的は旧64市町村ごとの支部長らを集め、参院選への態勢強化に向け基本的な選挙戦術を周知すること。
 具体的には候補の知名度アップを目指して大型ポスターの掲示やリーフレットの配布、財政的事情から公示後も支部事務所は設けず、支部長宅を連絡事務所として使用すること、4月10日の政治資金パーティー開催に向け支部ごとに"パー券"を一定程度販売すること、などを伝えた。

連携強化

 この日の出席者は約150人。県議は21人中12人の出席と低調だったが、執行部には、県議を支部代表者らが陣取る選挙区ごとの丸テーブルに着座させ、各支部との連携を深めさせる計算もあった。
 「県政最大与党」をうたい文句に県議会(現35人)に占める圧倒的な党所属県議の割合や、県下に張り巡らされた支部組織、という下野後の同党に残された数少ない強みを最大限生かそうという狙いである。
 同幹事長は「昨年来、県連が立て直した支部組織を有効に生かしたい。今後も業界や各種団体に支援を要請していくが、業界団体には(各中央組織から政権党支持の)圧力があり支援継続は難しいところもある。当面は民主党に無いものをしっかり束ねていきたい」と、序盤戦での戦略の一端を明かした。県連は一昨年から「地域再点検」を実施。知事選で一部壊滅状態だった甲府市支部の再建にも着手するなど支部再構築を進めていた。

二人三脚

 自民党が選挙の原点に立ち返ったような「地上戦」なら、民主党県連は業界団体を取り込む「空中戦」を展開する。
 民主党の県関係国会議員は6日、甲府・談露館で県歯科医師会の政治団体「県歯科医師連盟」と懇談会を開催した。公務で欠席の小沢鋭仁環境相を除き、輿石東参院議員会長、後藤斎県連代表ら4人が顔を並べ、「政権の出番をもらった。汗をかいていく」(輿石氏)「比例区と二人三脚で支援を」(米長晴信参院議員)など今後の友好関係構築を求めた。同連盟は山梨選挙区の対応には慎重だが、比例では民主党候補の支援を決定している。
 同県連は自民党のような全県をカバーした地域支部はない。支部と名が付くのは国会議員単位の5総支部と、県議が支部長を務め、党員50人以上という党規約で定められた「行政区支部」が甲府と南アルプス両市の2つ。それと総支部の承認を得た牧丘支部の、以上8つだけである。牧丘支部は旧社会党時代から「牧丘社会党」と呼ばれ、地区党員だけの運動会を開催するなど土着性の強い町内ネットワークを持つ。

「中立」

 こうした状況を反映し、効率的に支持者を増やそうと業界団体取り込みを図る。自民党支持からの転換はもとより、「中立」などの表現で、自民党積極支持の姿勢にブレーキをかけることが狙いである。既に鳩山由紀夫首相来県時には、県連主導で10団体の代表が直接、要望活動。さらに、政権政党の御旗のもと、県や市町村はじめ各種団体の陳情窓口を一本化したことで、業界団体との接点を否応無く増やした。県連によれば2月末現在、JA山梨中央会や県トラック協会などから59件の要望を受け付けている。
 県連では既に「職域支部」新設方針を決めており、現時点では国会議員レベルが水面下で各団体と交渉を進めている段階だが、党員を党本部登録する5月末までには業界団体に対し正式な加盟要請の文書や党員入党申込書を送付したい意向だ。



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