南巨摩郡富士川町小室 tel0556(22)0034
宗派 日蓮宗
本尊 十界曼荼羅
県指定文化財・金銅金具装笈
富士川町役場から車で10分/JR身延線鰍沢口駅から車で15分/「小室」バス停から徒歩10分
拝観料 志納
駐車場あり W.C.あり 売店あり
 妙法寺へは国道52号線に戻ってすぐに右折、畔沢川に沿って3kmほど入っていく。途中の土録(どろく)、北川の集落を過ぎ、農協前の二股道を右に進んで登りつめたところが妙法寺だ。総門を潜ると参道両側に数軒の家が立ち並んでいるが、昔は旅籠、茶店、土産物屋などの小さな門前町であった。当時は多くの人が参詣した巨刹であったことがしのばれる。
 山の斜面に建つこの寺の山門は見上げるように大きい。県下では身延山に次ぐものとされ、また急な石段を上ると本堂、客殿、庫裏などが木立ちの中に驚くほどの規模で広がっている。6月になると山門の両側一帯や周辺の山地にかけて1万株のアジサイが咲き、開花期にはアジサイ見物をかねた参拝者がひきもきらない。いま、地元の「小室を育てる会」の会員が熱心に面倒をみているもので、年を追うごとに花株が大きくなって美しさを増している。


1万株のアジサイが初夏に花をつける。
時季には「あじさい祭り」が開かれる
 寺記によると持統天皇7年(693)、今から1300年前に役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたという。かつては仁王山護国院金胎寺という真言の寺院であったが、文永11年(1274)、住持の恵頂が日蓮との法論に破れ日蓮宗に改宗した。恵頂は鞍馬山で修験(しゅげん)の道を修め、小室では東33ヵ国の山伏の頭領となった人物といわれている。寺号の徳栄山妙法寺は日蓮が銘したもので、そのとき恵頂は日伝と改めたが、昌福寺(第89番)を開いた日全はこの日伝の実弟となる。
 寺には日蓮聖人直伝という秘妙符が伝えられていて、「小室の毒消し秘妙符」として名高い。この護符は寺の背後にある井戸水でしたためるもので、井戸は天竺と底で通じていると伝えられている。明治のころはこの秘妙符が多くの庶民に求められて、寺は繁盛した。また第10代日薬上人は信玄の伯父で武田氏とのかかわりも深く、かつては寺領も30町歩(30ha)におよんで、身延山から離れた本山としての格式を誇っていた。武田後は徳川氏からも手厚く庇護され、無本寺、身延末をくり返した。寺には県指定の文化財として金銅金具装笈が保存されている。


山  門