甲府市(旧中道町)心経寺1200 tel 055(266)3407
宗派 曹洞宗
本尊 釈迦如来
県指定文化財・木造釈迦如来座像
JR中央線甲府駅から車で30分/ 「中畑」バス停から徒歩25分
拝観料 志納
駐車場あり W.C.あり
 再び右左口路を行く。右左口交差点を左折、金川曽根広域農道を東に進むと心経寺(しんぎょうじ)という集落。心経寺橋を渡ってすぐ左に下っていくと、小さな山を背負って安国寺がある。三方を山に囲まれ、秋には一層、風情のある山寺だ。広域農道のすぐ先、トンネルを抜ければ境川村。向昌院(第45番)にもどる。
 「安国寺」 の創設は南北朝から室町の時代。 足利尊氏(あしかがたかうじ・1305〜58)、直義(ただよし)兄弟が、夢窓疎石(むそうそせき)のすすめで、日本全国に寺を開き利生塔(りしょうとう)を建立、足利勢力の維持と臨済宗の発展をめざした。聖武天皇の「国分寺」の例にならった大事業だったが、実際には新たに造られた寺は少なく、在来の寺院に利生塔を建てたものがほとんどだった。ここ、悟道山安国寺も、地名が示す通りかつては心経寺という真言宗の寺院だった。安国寺は足利氏衰退とともに衰える。その後、天和元年(1615)、龍華院(46番)の10世、角山宗牛そうぎゅう(かくさんそうぎゅう)によって再興され、曹洞宗に改められた。かつては塔頭も多く、七堂伽藍が備わった大寺院だった。


第62番法泉寺から送られたという寺宝の涅槃図
 南から総門、山門、本堂と並び、本堂の右に庫裏、左に宝物殿がある。山門はかつて鐘楼だったが、今は三十三観音が祀られている。宝物殿には寺宝として涅槃図が保存されている。40年前、 表装を新しくしたところ、 中から臨済宗の法泉寺(第62番)からの"送り状"が出てきた。 それによると、 元禄14年(1701)の日付で、安国寺に伝わる夢窓国師の胸像とこの涅槃図を交換した、とある。この涅槃図の見学はできるが、予約が必要。本尊の木造釈迦如来座像は鎌倉時代の寄木造りで県指定の文化財。総門脇の石仏群も趣がある。
 春分の日には、観音祭りがある。山門にハシゴがかかり、三十三観音の扉が開かれ、地域の人たちが集まりにぎわう。


木造釈迦如来座像